【サンプル】談話室野球拳大会証言録(トレリド)(同人誌『Think red, count to the Third』書き下ろし)

同人誌『Think red, count to the Third』書き下ろしの『談話室野球拳大会証言録』(9p)のサンプル2pです。

――八十位、三年生のユーディス・クロンダイクの証言。
「まったく、度し難いユニーク魔法だ! どこの愚か者が発現させたものだか知らないがね! 『勝者を決めねば出られない結界を張る』とは! それも今回は『野球拳』で! それでよりによって真っ先にローズハートと当たるとはな! 野球拳でさえなければ二度も敗北を喫することはなかったものを! くっ、何を笑っている!?」

――二十二位、三年生のオンセ・バンコの証言。
「着てた服? 建物の外まで飛んで行っちゃうんだよ……ここ来るまでに見なかったか? ――ああ、迷路の木に引っかかってたって? そうか、二人はそれを取りに行ったのか……。二人? ああ、寮長と副寮長だよ。どっちが優勝でどっちが準優勝かはわからないけど」

――七十七位、ダッチ・ナポレオン。七十六位、ベーブ・テイルス。七十位、メイラード・オルドメード。二年生三人による証言。
「えーと、俺らン中だと俺とベーブが寮長に当たったんスよね」
「ほら、あそこにトーナメント表浮いてるじゃないですか? ちょっとぼやけはじめてるけど。あの赤い線が寮長の快進撃。緑は副寮長」
「クロンダイクさんは普通にじゃんけん弱いけどさー、ぶっちゃけ俺らは忖度したっていうか」
「ハートの女王クロッケー八百長説とかあるじゃん? あんな感じで慌てて後出ししてたんですよ、こいつら」
「女王様が負けるとこなんて見たくないじゃんって気持ちだったんじゃないのかな? だって俺らもそうだもん」
「まあそれを抜きにしてもあれはちょっと脱がすの気が引けるよな」
「ダッチは寮長推しだもんな」
「だってルックスは本当にかわいーもん……。でもちょっと申し訳なかったかなって……寮長プライド高いもんね」
「『本気でおやり!』って段々怒るんだけど、誰もやらなかったんだよな。タメも上も下も」
「オレは当たらなくてよかった~。プレッシャーに勝てる気がしないもん」
「フィーアとか、かわいそーだったもんな。……ああ、あいつも寮長と当たってたんですよ。そんで、最初に脱がすことになっちゃって」