はじめに
『ディズニー ツイステッドワンダーランド ザ アニメーション』、2025年10月29日、ディズニー+にて独占配信決定!!!!
(ジ アニメーションじゃないんだ……)
というわけでD+に加入をキメたオタクも多いのではないでしょうか。折角のサブスクなので、元ネタの映画とか他の映画とかたくさん見られることかと思います。
映画……映画も勿論いいのですが……。
アニメシリーズも!!!!見てほしい!!!!!!!面白いのたくさんあるから!!!!!
というわけで、プレゼン半分、「見゛て゛く゛れ゛よ゛ォォォ……」という懇願半分の記事です。
『怪奇ゾーングラビティフォールズ』(2012年、全41話)
舞台はアメリカ・オレゴン州のいなか町、“グラビティフォールズ”。夏休みに大伯父さんちに遊びに来た双子の姉弟、メイベルとディッパー。しかしこの町、奇妙なこと・ものばかり。ノーム!ネッシー!秘密結社!自我を持ったゲームキャラ!クローンアイドル!ビッグライトにスモールライト!他多数!そもそも大伯父さんからしてインチキ見世物小屋を経営してるし……。
最終的なヴィランは、黄色三角形の悪魔“ビル・サイファー”。こいつがもうめちゃくちゃな悪意と悪趣味で大暴れするトリックスターなんですね。ディズニー界のニャルラトホテプ。「人間の顔面の穴の位置をシャッフルする」みたいなシンプル悪趣味から、「仲良し姉弟の仲を引き裂く」といったマジ悪趣味まで悪趣味の幅が多彩です。もしツイステに出演することがあっても、ご本人として大暴れしそう。
他にも、インチキ超能力少年や性格最悪地元青年など、個性豊かなヴィランがいーっぱい!
全41話と(比較的)短めで、伏線の張り方も鮮やかで、ディズニーアニメシリーズの入門としてよく名前が挙がる名作です。
終盤は7章のツノ太郎のやらかしに近い展開もあり、ああいう展開が私は大好きなので、同じ趣味の人にぜひ見てほしいな、と思います。
『ふしぎの国アンフィビア』(2019年、全58話)
カエルってかわいいですよね~。ツイステッドワンダーランドにもカエルの獣人属はいるのかな?小さい頃はおたまじゃくしの獣人属なんだろうな……かわいいね……。
そういう妄想が止まらなくなるのが、『ふしぎの国アンフィビア』。両生類の人々の世界に迷い込んだ人間の女の子、アン・ブーンチョイが主人公です。地元のカエル少年スプリグと親友になり、異世界人と現地人のマブになります。
この作品において、友情は重いテーマになっています。実はアンちゃんは仲良し三人組で異世界に飛ばされたのですが、離れ離れになってしまい、再会や再度の別れを通して、その友情に辛い所や歪なところはなかったか、と問い直していくお話です。
人間三人組の一角、サーシャ・ウェイブライトはこの作品におけるヴィランの一人と言っていいでしょう。パワフルで狡猾で人心掌握がやたらうまく、人間関係においては「常に主導権を握って相手を支配しなければ気が済まない」(作中マジで言った)。アンとの関係も、いつもどちらかがどちらかに合わせることを友情だと思っているつらいものでした。でも言うてサーシャだってまだ中学生なわけだし、波乱万丈なストーリーの中で挫折や成長を経験して変化していくのは、ツイステ前半における友情や人間関係の変化に通じるものがあるかと思います。
全58話、アンフィビアの世界をアンやサーシャと一緒に歩くことで、最後にはきっとさわやかな気持ちになれること請け合いです。私はぼろっぼろに泣きました。
『アウルハウス』(2020年、全43話)
魔法学校!!あたい魔法学校大好き!!こちらも異世界トリップマジカルアドベンチャーです。妖魔や魔女が暮らしている魔界にはみ出しものの人間の女の子・ルースがトリップし、アウトローの中年魔女・イーダや、きゃわいいふしぎ生物のキングと暮らしながら魔法学校に通います。
世界のビジュが良すぎる。まず舞台となる島・ボイリング島がでっっっっかい巨人の遺骨の上にある島だったり、モブの住人達も一人一人個性的なルックスをしていたりと、ファンタジックな世界観はツイステのファン層にも刺さるのではないでしょうか。しかもこの作品はキャラの動きに力を入れていて、背景のモブ一つとっても何かしらの面白い動きをしているため目が離せません。
この記事を読んでいるオタクの中にはカップリングのオタクもかなりの割合いるのではないでしょうか。朗報!!めっちゃかわいい女の子と女の子のロマンスがあります!!
アミティはエリート志向の母親に育てられた女の子。魔法が使えないはずなのに魔法学校に潜り込むルースが気に食いません。その辺りは1章(&プロローグ)のノベライズで語られた、監督生に意地悪するエースの心情に近いのではないでしょうか。ルースの方も、つんけんしているアミティに戸惑います。そんな二人が、互いを認め合い、距離を縮め、恋に落ちるストーリーは必見です。あとこれはめっちゃ余談なんですけどアミティの両親が「研究にしか興味がないお父さん」と「その研究成果を売ることしか考えてないお母さん」で、愛のないボドゲ部みたいな感じになっております。
『悪魔バスター★スター・バタフライ』(2015年、全77話)
これまで異世界トリップものの紹介が続いておりますが、これは逆に、魔法の国のプリンセスが人間界にホームステイする居候コメディとして始まります。魔法の国・ミューニのプリンセス、スター・バタフライが、人間界のマルコ少年のところにホームステイ。魔法のステッキを奪おうとやってくる怪物たちをしばきながら、わちゃわちゃした日常を過ごします。
でもこの作品がすごいのは、そうしたなんてことないような日常と、シリアスでスケールの大きいストーリーが地続きになっているところだと思います。「魔法の国のプリンセスって何?」「怪物って結局何?」と、あらすじの中でさらっとスルーされそうな部分に切り込んでいき、徐々にめちゃくちゃ面白いポリティカル・サスペンスをやり始める、そういう複雑さを持った作品です。
さて、複雑なのはストーリーだけではありません。私の好きな複雑さを持つキャラクターを紹介させていただこうかと思います。それは、スターちゃんのステッキを狙ってやってくる怪物軍団の首領、ルード様です。最初こそピカチュウを狙うロケット団のようなノリでしたが、コジロウに出奔お坊ちゃまとしてのバックボーンがあるように、ムサシにナースを目指して挫折した過去があるように、このルード様も深刻なバックボーンが明かされていきます。詳細は伏せますが、この人は認められたくてたまらないアダルトチルドレンなのです。その痛切な心理描写に、私は「キッズ向けアニメでここまでやる!?」となりました。私みたいな、リドル君の号泣を見てツイステをインストールした人にはぜひ見てほしいと思います。ディズニーチャンネルの吹き替えで「みじめなあかんたれ」っていうセリフ通るんだ……。
もう一人ご紹介したいキャラクターがイクリプサ。魔法の国ミューニの過去の女王です。この人は、「人食いの怪物と不倫して国を捨てた悪い女王」または「誰よりも愛を大切に思っている人」、「強大な魔法を持つ女王」または「無力な一人の女性」、「ミステリアスで余裕たっぷりの女」または「ひょうきんなおばちゃん」……と、いつも複数の面を持っています。それって、ツイステにおけるヴィランのねじれ方、新しい解釈の提案に近くありませんか?
イクリプサが顕著なだけで、どのキャラクターもそういう複雑な多面性を持っていて、ある面でよかれと思ってしたことが誰かにとってはよくなかったりする……。77話と今回紹介する作品の中では少し長めなのですが、そういう複雑さを楽しめる人にはぜひおすすめしたい作品です。
『ムーンガール&デビルダイナソー』(2023年、全56話)
Pixarやスターウォーズなど、今はディスニー傘下だけど元は別会社の作品がツイステに採用されるかは現時点では不明です。(個人的にはスターローグはギリシャ神話+スターウォーズだと思いますが……)MARVEL作品も正直わからんとこがあるかと思います。ですがどうしてもこの作品を紹介したかったのは、とにかくハイセンスでかっこよくて”今”を描いていていい作品だから!
主人公のルネラは現状MARVEL世界一の頭脳を持つ女の子。家の地下に秘密のラボを作り、異次元に繋がるポータルを作ったりしています。そのポータルから現れたティラノサウルス(?)のデビルダイナソーを相方に、自警活動で大好きな下町を守っています。ルネラは天才ですがいかんせん中学生なので、倫理観やブレーキが幼いところがあり、自分の作った発明に振り回されること多数。「広告をスキップするみたいに人生のつまんない時間をスキップしたい」なんて、そう思っても大抵の中学生は実際できないわけじゃないですか。でもルネラはできちゃう。天才だから。そして余計トラブルに巻き込まれていく……。
そんなルネラの頭脳に目をつけてはた迷惑な推し方をしてくる上位存在がビヨンダー、この作品の一応メインヴィランです。ヒーローアニメなので面白いヴィラン・カッコイイヴィランは他にもたくさんでてくるんですが、どうしてもビヨンダーに触れなければいけない気がする。人の心がわからないトリックスター、というよりも相手を痛めつける時にだけ心の扱いがめっちゃ的確になるやつです。嫌ッ……。そんなビヨンダーが、ルネラと接する中で何かを学ぶ……のか!?改心とか……しちゃうのか!?しなさそう!こういう書き方をしているのも、実はまだD+とディズニーチャンネルに途中までしか来ていないからなんです。一緒にビヨンダーにやきもきしてくれませんか?
あとデビルダイナソーの挙動がめっちゃ大型犬できゃわいいですよ!!!!!!
これ、ツイステに関係ある?
多分ないと思います。
『ノートルダムの鐘』『ピノキオ』『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』など、サービス開始時にはツイステ関係なくても後々出てくるケースは徐々に増えてきておりますが、取り上げられていない映画作品が多々ある中で、アニメシリーズにその機会が回ってくる可能性は低いかと思います。
私がアニプレックスの人だったら「えー、あー、アニメシリーズですか?面白いらしいですけど、知ってる人少ないし……んー……ねー……」って視線を泳がせる。
だからこそ純粋に面白さ、見られてほしさで作品を紹介したかったし、見てくれる人が増えて盛り上がってくれれば可能性は少しずつ上がっていくと思いたいです。
お夕飯時とか、「何見ようかな~」って時にディズニーアニメシリーズを候補に入れてくれると幸いです!
100話越えの『ミラキュラス・レディバグ&シャノワール』や、そもそもD+で配信されていない『なんだかんだワンダー』(どう゛し゛て゛!!!!!爆涙)など、今回は紹介を見送った作品もたくさんあります。面白い作品はこれだけじゃないので、ぜひとも折角のD+をご活用あれ!